Lordの日記

遊び学ぶ居心地の良い空間創りがLordのテーマです

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本物

20060610140619
 フィツジェラルドの『THE GREAT GATSBY』でギャツビー邸の書斎が紹介される場面があります。ゴシック風の書斎で、羽目板が彫刻の施された英国製オーク材であり、たぶん他国の廃墟からそっくり移築したものであろうとだけ描写されています。
 そのあと酔ったパーティ客の男性が、本は厚紙で作ったものではなくすべて正真正銘の本物だ、自分は確かめたと熱弁する場面があり、書斎の紹介が終わります。1ページにも満たぬこの描写と会話から、いろいろ想像をしたものです。
 もう何年も前アメリカで、あるデザイナーの店舗の一角にいる時、ギャツビー邸の書斎を訪れたような感覚を覚えました。思わず書棚の本を手に取って開くと本物でした。店員さんが笑みを浮かべて「残念ながら本はお売り出来ないんですよ」と声を掛けてくれました。
 この作品の中にはもう一ヶ所、印象に残っている場面があります。これも1ページ弱のシーンです。ギャツビーがディズィにワイシャツのワードローブを見せ、ディズィが感動のあまり泣きだしてしまう場面です。中学生の私はここでも、出来る限りの想像をしました。
 この作品はロバート・レッドフォード主演で『華麗なるギャツビー』という題名で映画化され、アカデミー最優秀衣裳賞を受賞しました。ディズィが泣きだしてしまうほど美しい沢山のシャツや、男優達の衣裳を作製したのは、当時まだ無名のデザイナーでした。
 本を書棚へ返しギャツビーの書斎を離れた私は、店員さんに案内され大きな木のテーブルのある空間に出ました。テーブルに綺麗に並べられた大量の良質なシャツとネクタイに声を失い、それぞれ一点ずつを購入しました。このシャツとネクタイのデザイナーが、映画の衣裳を作製したその人であることを知ったのは、それから10年以上後の事でした。
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