Lordの日記

遊び学ぶ居心地の良い空間創りがLordのテーマです

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窓越しの天秤

20060615173322
 骨董通りに並ぶアンティークショップのウィンドーを楽しみながら、ロンドンのケンジントン・チャーチ・ストリートを歩いていた時の事です。ある店の棚に天秤を見つけました。高さ60センチ位のシンプルなものです。当時とくに天秤に興味があった訳ではないのですが、何故か気になって近くで見たくなりました。ドアのベルを押すと体格のいい中年女性が現れて、ガラスの向うで怪訝そうな表情を浮かべて直ぐには開けてくれません。ガラス越しに店内に入れてくれるよう頼みました。
 当時貧乏学生であった私は、その風貌に問題があったのか単なる差別か、英国で度々こういう場面に遭遇しており慣れていました。店内に入ると、中程にある棚に直行し天秤の前に立ちました。周囲にあるアンティーク食器には興味を示さず、ひたすら天秤の事を質問する私に、「これは売り物じゃない」と言って先程の女性は口をきいてくれません。外に出てからもしばらく、天秤のある店内を眺めていた私は、さぞ怪しかっただろうと思います。
 その後何度か足を運び、当初は「またお前か」と入店拒否されながらも、何度目かには店員さんから諦めの笑顔で迎えていただけるようになりました。私のフラットには分不相応なシルバーの食器類が増えましたが、ついに天秤は売っていただけませんでした。それから特に天秤を探したり集めたりしたわけではありません。この記憶とLordのロゴマークの間には如何なる相関関係もありません。ロゴやテーマモチーフの天秤は私の発案ではありませんでした。
 表の通りからLordの店内を見ると、四つの天秤が見えます。その内大きな二つ(古木と鉄)はディスプレーで、残念ながらお売りする事が出来ません。古木はロゴマークのモデルでもあり、表参道と軽井沢にひとつずつあります。朝、窓を拭きながら店内を眺めると、天秤の位置が気になります。一年に何人か外から見て、「あの天秤が欲しい」と入って来られるお客様がいらっしゃいます。握手したい衝動に駆られながら、非売品であることをお告げする私の応対をご想像下さい。
 窓越しに見る天秤には、不思議な力があります。
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