Lordの日記

遊び学ぶ居心地の良い空間創りがLordのテーマです

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思い出の一冊

20060704200848
 中学生の頃、炎天下での部活が終わると、帰りは必ず書店に寄り道をしていた。と言っても、文学少年だったからではない。当時はスポーツ選手の水分補給はご法度で、熱中症・脱水症気味の身体に、大きな書店の冷房が心地好かったからである。暫しの休息とクールダウンが目的であった。今から考えると、皆よく死ななかったものである。
 朦朧とする意識と全身のの痛みから、冷たい床に寝転びたい衝動に駆られる。重いバッグを引き摺りながら、人影の少ない書棚を探す。バッグを置くとその上に座り、適当な本を手に取る。立ち読みではなく、座り読みである。好きな書棚を選ぶ事は出来ない。いつも比較的人が少なかったのは専門書のコーナで、その辺りが定位置だった。
 中学2年の夏の日、例によって元気な時なら近付かないであろう書棚の前で、バッグに座りクールダウンをしていた。目の前に積まれた本を手に取り目次を見ると、ガウスの名前が目に入った。「学校でやったよ、ガウス!」 と、名前を知っているだけでまるで知り合いかのような、中高生特有のミーハーなノリで読み始めた私は、その後約二時間その本の虜となった。
 小堀憲著『大数学者』(新潮選書)は、19世紀に活躍した6人の数学者達の生涯を、簡潔にまとめた一冊である。6人ともその代表的な仕事を、20代で成し遂げているということもあり、青春時代のエピソードのなんとエキサイティングなことか。体育会系中学生の私は、たまに出てくる数式や註を総て読み飛ばし、一気に読み終えていた。血湧き肉躍るのは、冒険活劇の書棚だけではないことを教えてくれた、貴重な一冊である。
 中高6年間、一度も注意を受けることは無かった。書店には感謝している。この本は、夏休みに時間のある中高生には絶対お薦めだが、現在絶版とのことで、古本屋ででも探すしかない。(『Lordライブラリー』には一冊有ります。貸出致します。ライブラリーの詳細は軽井沢店まで。)
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