Lordの日記

遊び学ぶ居心地の良い空間創りがLordのテーマです

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 小学校へ入学する直前に、机を買ってもらいました。大雨の午後で、今でもその時の事ははっきり覚えています。40年以上前のことですから、当時余程嬉しかったのでしょう。広い家具屋さんの二階には、祝入学というプレートが付いた学習机がたくさん並んでいました。両親に自由に選べと言われ私が選んだのは、学習机のコーナーから離れた書斎家具のコーナーにあったシンプルなものでした。
 家に机が届いた日、ずっとその机から離れられませんでした。前に座り、上に乗り下にもぐり、引き出しを出したり入れたり、その時チェックした机の裏側の小さな傷や木目は、今でも記憶の片隅に残っています。様々な最新機能を装備(?)した学習机を所有する同級生達は、木目調で机上の面積が皆の机の倍以上もある重厚な私の机に、勝手に「変な机」と名前を付けていました。
 私はこの机を小中高の12年間愛用し、その後妹へ譲りました。彼女はこの机で卒論を書き、嫁ぐまで大切に使っていました。その後主を失った机は、長く実家で眠っていました。今年の1月、ついにこの机とお別れの時が来ました。久し振りに机の前に立つと、大きく両手を開き「さあ、どうぞ」と迎えてくれているような感覚を覚え、初めて出会った時にそうしたように、机面にほっぺたを付けました。
 私は歳をとりましたが、机の感触やヒンヤリとした安心感は、総て40年以上前と変っていません。初めて家に届いた日と同じように、柔らかい布で懐かしい木目を追いかけました。引き出しを開けると、机が来て間もなく祖父からもらった、ファーバーカステルの鉛筆の缶ケースが入っていました。妹はそのままにしておいてくれたようです。何もせずただじっと1時間、机の前から離れる事が出来ませんでした。
 子供の学習には向かないという家具屋さんの言葉に、「気に入った物を使えばいい」と言って買ってくれた両親には、今でも感謝しています。
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