Lordの日記

遊び学ぶ居心地の良い空間創りがLordのテーマです

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火の見櫓

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 ギャラリーLordの入っているビルは3階建てなのですが、神宮前の丘に位置しているため、屋上からはグルリと都心部が一望出来ます。屋上はテーブルと椅子が並び、打合せ・食事・休憩等に24時間自由に使える憩いの場です。小さなペントハウスもあるので、北風の強い寒い日も快適に過せます。業務で疲れたり煮詰まった時の気分転換にはもってこいの場所で、みんなとても気に入ってます。
 私はデザインされた都市の風景や、キラキラ宝石箱のような摩天楼の夜景が大好きです。軽井沢店にいる期間が長いせいか、お客様の中には私を自然派だと思っておられる方も多いようです。実際はアウトドアライフやエコロジーとは対極的な、人工的で不健康?な日常を送っています。屋上では変化の激しい人工的な風景を眺め、大都市特有のエネルギーのうねりを感じ、汚染された空気を肺一杯吸い込みながら、気分転換しています。
 屋上でボーっとしていて、都心で発生する様々な出来事を知ることもあります。六本木ヒルズ上空を蝿のように舞う何機もの報道ヘリを見て「ついに逮捕か!?」とか、競技場からの歓声に「日本代表勝ってるな」とか、遠くで立ち上る煙に「××駅辺りで火事だ!」といった具合です。現在は高層建造物が多くなったこともあり、それらを目印にかなり正確な場所や距離を知る事が可能です。
 子供のころ家の近所の消防署に『火の見櫓』があり、その上に消防署の人が立っているのをよく見かけました。建物の高層化が進み、通信インフラが整い警報システム等も発達した今日、都市に『火の見櫓』はあるのでしょうか?たった3階建てですが地形と周囲の建物との関係で、こんなに周りが見渡せる場所があることを知った時はちょっとした驚きでした。屋上で火事に気付く度、きっと『火の見櫓』もこんな場所にあったのだろうなと考えています。
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吸音性

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 小雪舞う神宮前の丘では、小刻みなコツコツという足音が交差します。低空を滑るように飛ぶヘリコプターのエンジン音は、キーンと甲高く空気を引き裂きます。冷気の中でコツコツとキーンはいつになく鮮明で、音の振動を肌でも感じます。ガラスを突き抜けて届くそれらの振動を、店内に並ぶEkelundの織物たちが吸い込んでいきます。際限なく繰り出される音と、それをどこまでも吸収し続ける織物たち。
 吸い込むという表現が物理的に適切でないことを理解はしていても、この場合消音より吸音という表現の方が実感に近いようです。水分の場合は文字通り吸い込んでいるので飽和状態がありますが、音の場合は実際は消している訳で本当に吸い込んでいるのではありませんから、いつまでも吸い込み続けているように感じます。Ekelund社の本国での広告を見ても、やはり『吸収する』という表現が使われています。
 空間を演出する際に、音の処理はとても重要です。時としてどんな音を以上に、その音をどう処理するかで悩む事があります。残響時間(発音体の振動が止まってから音の強さが100万分の1になるまでの時間)が長いと音は明瞭でなくなり、短いと余韻がなく弱い音となります。一般的に音楽なら1.5~2.5秒、講演などの場合は1.0~1.5秒が良い等とされていますが、私の聴覚は狂っているようであまり当てはまりません。
 軽井沢店の店内では絶えずこの残響時間をいじって、様々な試みを行っています。お客様から「音楽の聴こえ方が違う」「いつもより声が響く」等とご指摘をいただき、多くのデータを集めさせていただいております。営業中に店内の周壁はあまり触れませんので、吸音性を高めたい時に活躍するのが、Ekelundの織物たちです。Ekelund商品の吸水性に関するご質問は必ず毎日いただきますが、吸音性に関するご質問というのはこれまで記憶にありません。本国同様、今後積極的にお伝えしていきたいと考えています。
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乾燥室

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 昨年のこの時期はポカポカ暖かい日が続き、「本当に2月?」「春みたい!」という言葉をよく耳にしました。コンサバトリーの気温はどんどん上がり、午前中から午後にかけてはドアや窓を開けておくと、とても気持ちが好かったことを覚えています。明るくて長閑な午後は、油断をすると居眠りしてしまいそうな心地好さでした。それに対して今年は、冬らしい冬を実感する毎日です。
 天気が好いとコンサバトリーがポカポカ暖かいのは同じですが、窓やドアを閉めている場合の話しです。曇っているとウッドデッキから冷気が上ってきますので、暖房は欠かせません。ガラスに触れると、強く吹き付ける北風の冷たさを感じる事が出来ます。コンサバトリーのガラスの天井に積った昨夜からの雪は、中の暖房で少しずつ解けていきます。内と外の温度差は20℃位でしょうか。
 室内の温度を上げて乾燥室のようにして、朝からのんびりギャラリーの展示の入れ替えをしました。水分を含んだ大きな花弁のような雪が、休むことなく降り続けています。外の道路は、一面シャーベット状の膜で覆われています。このギャラリーでは、どんなにびしょ濡れの帽子もマフラーもコートも手袋も靴も、あっという間に乾きます。喉の事などを考えると適度な湿度があった方が良いのでしょうが、今日のようなお天気の日には部屋を乾燥室のようにしたくなります。
 表参道で、南方の国から来たとおぼしき集団と擦れ違いました。全員信じられないような薄着でガタガタ震えながら、口々に何か叫んでいます。露出した褐色の長い腕を見ながら、恐らく「寒い!」と言っているのだろうなと想像し、近くにある古着屋さんを教えてあげたい衝動に駆られました。彼らの服装は全身、今日の寒さと湿気を想定したものではありません。おそらく乾燥した暑い国から着てきた、そのままの格好でしょう。乾燥室のようになったギャラリーで、ふと彼らの叫んでいた「アチィー」という言葉の意味を知りたくなりました。
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 都市における照明の役割は、実に複雑です。もちろん闇を照らし明るさを確保するという、原初の機能的役割が重要である事に変りはありません。旧来の機能的役割も視界の確保から保安・信号・装飾など、その射程はかなり広範囲に及びます。深夜に人影の消えた都心を歩いていて、目の前に突然現れた大きなロボットや宇宙船に驚くことがあります。
 その正体は建造物なのですが、昼間に見慣れた建物を夜見て「これ何だっけ?」という経験はありませんか?注意力散漫な私ならではの大ボケかもしれませんが、しばしば経験しています。闇が輪郭を削り光が特定の部分を照らすと、もともと不定形な建造物は昼間とは異なる姿を現します。自動的に光の照度や色が変る事により、動いているように見える場合もあります。
 完全にではないにしても機能的役割から解放された照明は、都市の生活を楽しませてくれます。CO2削減の観点からは好ましくないとのご指摘もありそうです。役割を担っていない訳ですから、無駄だと言われればその通りです。広告効果も記号的役割も担わないロボットや宇宙船が現代の都市に存在することには、懐疑的な方が殆どかと思います。
 送り手が外したのか受け手の私がつかみ損ねているだけだろうというのが周囲の大方の見解です。都市生活では中途半端な仕掛けが鬱陶しいので、意識して自覚的であることによりそれらを消し去るようにしています。解放の為に自覚という手続きを要求する現代の都市生活では、複雑化した表層の背後に実にシンプルで空虚な像の存在を感じる瞬間があります。
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