Lordの日記

遊び学ぶ居心地の良い空間創りがLordのテーマです

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許された瞬間

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 お天気は一転冷たい雨が降り、暖房器具フル稼働の軽井沢店からです。昨夜帰宅時は濃霧で、店舗を出たところで「遭難しないように気を付けて!」と声を掛けられました。歩き慣れた道なのでさすがに遭難はありませんが、ロマンチックを通り越して不気味な雰囲気でした。緊迫した戦争映画やオカルトあるいはホラー映画のシーンのように、目の前をゆっくり流れる厚い霧とその向こうには闇。早足で歩いていると、白い闇から突然現れる木の枝にびっくり。帰り着いて光の中で見ると、全身がびしょ濡れです。
 以前撮影の際に薄っすら霧の流れる戸外で、『アリスのチェスセット』をガーデンテーブルに並べてみると、駒が生きて動いているように感じたことがあります。Lordで毎年人気者である『アリス』『ピーターラビット』『シャーロック・ホームズ』などの英国から来たチェスセットは、軽井沢店にいる時、時々動いて遊んでいるのかもしれません。夜中にこっそり店内を覗いてみると、皆で大騒ぎをしていたりして。かつてジョン・レノンも、軽井沢の雰囲気は自分の故郷と繋がるところがあると、とても気に入っていたそうですから。
 朝の掃除をしていて、たまに「どうしてこれがここにあるんだろう?」ということがあります。毎回記憶には無いのですが、「昨夜、自分が無造作に置いたんだろう」ということで片付けています。次回からは、アリスたちを疑って尋ねてみる必要があるかもしれません。自分の物忘れの酷さを人のせいにするものではないよと、ホームズに意見されそうな気もしますが。霧は童話や物語の主人公と会話をしてしまいそうな、不思議な空間を醸します。「一度病院へ行った方がいい」などと言わないで下さい。
 学校で物語はデノタシオン(明示的意味)とコノタシオン(暗示的意味)の重層構造であり、コノタシオンの読み取りが重要であると教わりました。例えば、主人公が突然「僕帰る!」と叫んだシーンで、「主人公の少年はこの時どんな気持ちだったでしょう」などという設問があり、「帰りたかった」などと解答するとまず×です。あるいは、弘子は必死で自転車を走らせて学校へ向かったというシーンで、「弘子はどうして学校へ向かったのでしょう」という問いに対し、「自転車で」と解答しようものなら先生にふざけるなと叱られます。
 社会的なコミュニケーション能力の大部分がコノタシオンの読み取りの適否にかかっている以上、デノタシオンに固着する子供は学校や社会に不適応などという判断をされてしまいます。書物では物語の登場人物の言葉から、コノタシオンを読み取っています。それに対して霧の中での彼らとのやり取りは、デノタシオンのラリーだけのような気がします。教育を受ける前の小さな子供たちが、動物や木・花・虫・石・人形などと話している時、そこには大人には聴こえない会話が存在していそうです。いろいろ知り過ぎた大人の私達にそれは不可能ですが、唯一許された時間と空間、それが霧の中だとしたらどうでしょう。
 また、「疲れてるから病院に行きなさい」という声が聴こえてきそうです。
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